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燃焼

   

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暁光は剣となりて⑪



 今回は主人公視点はなしです。

 コロネロの出番を作ってあげたいんだけど、なかなか無いわあ……どうしよう。
 多分次の騒動で何とか出来る、はずなんだけど。何でこんな事に。
 大体の雰囲気を作ってからじゃなくて、雰囲気を作りながらしてしまうからこんな事にorz



 ところで最近滅茶苦茶ストーキングしている復活サイト様がいらっしゃるんですけど、そこ、やばい。
 小説サイトなんですけど本当にヤバい。色々すごすぎる。
 話もだけど文も好きだし、ギャグもうまい。シリアスに戦闘にキャラにっていいところあげたら限が無い。
 骸の扱いも好きすぎる(・∀・)
 もひとつ絵サイト様をストーキング。
 絵きれい話おもろー。ストーキンストーキン。
 これからもずっとストーキン。

 創作は最近連載版の方に通い続けていたりする。種類色々あるからいいね。
 面白い人もいるし、ちらちら見てるだけでも結構楽しめる。
 リオは一次は色々面倒だと思う。自分でキャラつくらにゃならんし、服とかも考えにゃならんし、話も考えにゃならんし。この上なく面倒だと思う。



 そんな感じで暁光の十一話目。
 最近方向性に悩み中。












 一度、剣を振り下ろす。
 頭上に戻し、息を整えてからまた振るう。
 清廉であり爽快とも言える動きを何度も繰り返す。
 振るう。振るう。
 雑念を払って、彼は眼光の先にある剣先一点を見つめた。





 暁光は剣となりて





 忘れられない光がある。
 妖気すら感じる満月の真下にある、もう二つの月だ。
 丸い目を見開いてこちらを睨みつけるその青年は、品の良いスーツを着た全身を真っ赤に染めていた。爛々と輝く琥珀が並んで二つ。月というよりも太陽だ。だが放つエネルギーはとても小さく、怯えている風にも見える。
 それを真正面から見返してやれば、相手は唇を噛んだ。
 その青年は古血らしい。
 らしい、と言うのは、本人からではなく、部下達から聞いた話だからだ。古血の中でも特に血が濃く、古くから生きるまさしく化石のような化け物らしい。同じ血統であると言うからには、それを感じることが出来るかと思ったが、そうでもなかった。何となく近しい気はするが、それだけのことだった。
 所詮吸血鬼の血などその程度だ。黒かろうが赤かろうが関係無い。
 どいつもこいつも関係無く、目の前に立ちはだかれば種族に関係無く全て灰にする。それだけでいい。
 そう思って、いつもと同じように焼き払おうとした。
 震える青年に向かって己の手のひらを翳し――

「う"おおおおおおい! さぼってんじゃねぇぞぉ!」
 思考をかき乱すだみ声に向かって、一番近くにあった置物を引っつかんで投げつける。鈍い音がして悲鳴が上がったからにはどうやら当たったらしい。がしゃん、という割れる音も聞こえて来た。高い大理石の像やら何やらだったが、まあいい、どうせ興味の無いものだ。
 ぎろりと部下の方を睨んでみれば、無駄にさらさらな銀髪が惨めに乱れていた。額が赤いので、どうやらさっきのは頭に直撃したらしい。それなりの力で投げたのに、赤くなっただけとは面白く無い。
「何だ」
「何だじゃねぇぞお! これ見ろ、これ!」
「あぁ?」
 乱れた黒い制服を直しもせず、乱暴に歩み寄って男は机に数枚の紙を叩きつける。
「……ローマのマーモンからだ。どうせ読まねぇだろうから要約してやる」
 銀髪の男は顔をしかめて言い放った。
「どっかの馬鹿が、アルコバレーノのアッズーロを、『子』にしたらしい」
 一瞬、何を言われているのか分からなかったが、分かった瞬間に爆笑してしまった。しかめっ面のまま睨んでくる男など気にもせずに、思いっきり腹の底から笑ってやる。
 反吸血鬼の代表とも言えるアルコバレーノが吸血鬼にされたなんて、最高の笑い種だ。後世にまで語り継がれる程の情けない伝説だ。面白い、面白すぎる。常々あそこのガキどもは気に入らなかったが、今回の件で全てちゃらに出来る程の、最高の失態だった。
「で、手伝えってか?」
「いや、しばらくそっちの用事でマーモンが抜けるんだとよ。それからどこの血族かわからねーから、ボンゴレにも調査協力を頼むって言って来てるが、どうする」
「つけといてやる、っつっとけ」
「了解だぜぇ」
 強欲に貸しを作っておくのも悪くはない。あちらにとってはとてつもなく不快な出来事だろうが、こちらにとっては面白い、という他に無い。
 豪勢な机に足を乗せて天井を向く。
 笑みが収まらない。
 古臭い吸血鬼どもは巣穴に引き篭もって出て来やしない。奴らに期待するだけ無駄だ。ただの化石に用は無い。
 世界は順調に手のひらの上で転がせている。そんな気がした。





 最近は早起きをしなくてもいいので楽だ。
 と言うのも、客人の連れが自主的に台所に立ってくれるおかげで、朝食を作らなくてもいいからだ。何でも、ここへ来て料理の楽しさを知ったらしく、客人にどんな料理がいいか、こまめに聞いては腕を磨いている。
 そんなアンダーイヤーの吸血鬼に対抗してか、最近、主の機嫌が非常に悪い。
 あったかな布団の中で寝返りをうった千種はここ一週間の騒動を思い返していた。
 一通り思い返し、その全てのくだらなさにため息をついてから、布団からそろそろと腕を出して眼鏡を探る。いくら朝食の準備をしなくていいとは言え、さすがに起きなくてはまずい時間帯だ。
 寒さに顔をしかめながら外へ這い出す。 隣の布団では、犬が気持ち良さげにまだ眠りこけている。昨日、結界を張り直すのを手伝って疲れたのだろう。今起こすと後が面倒なので、もうしばらく寝かせておこうと思う。
 着替えて、台所に向かう。
 廊下を歩くが、足の裏が冷たい。
 爪先立ちになって歩けば、台所の前に座り込む二人を見つけた。
 小さい方が先に気付いて声をかけてくれる。
「おはよう、千種」
「おはようだぜ、コラ」
 幼児と青年の組み合わせに千種は数回瞬いてから返事をした。
 いつもなら青年の方が台所で朝食を作っているはずなのだが。
 千種の疑問に気付いたのか、青年が生温い笑みを浮かべて台所を指差した。何やら、水場が騒がしい。二人を見れば同じような笑みを浮かべてこっちを見て来た。
 何となく感じる嫌な予感を諦めと共に受け入れて、台所に首を突っ込んだ瞬間に目の前をお玉が飛んでいった。
 騒ぎの元凶をしっかりと確認してから首を引っ込め、千種は綱吉とコロネロの隣に腰を下ろした。尻が冷たい。
「……今日はコロネロと一緒に朝ご飯を作るつもりだったんだけどさ」
 綱吉が語り出す。その目はどこか遠くを見ていた。
「途中で二人がやって来て、しばらくは手伝ってくれてたんだけど、その内どっちが上手に大根を剥けるか競いだして、それで」
「結局は乱闘騒ぎだぜ」
「ごめんな。まだ、朝ご飯出来てないんだよ」
「いや、むしろうちの馬鹿が迷惑をかけてすまない……」
 はは、と綱吉は乾いた声で笑った。
「焼き鳥はありだけど、パイナップルって焼いたら美味しいかなぁ……」
 ぼそりと呟いた子供は、ゆらりと立ち上がって騒ぎが収まらぬ台所の中へと入っていった。その妙に疲れた背をコロネロと二人で見送る。
「……まずいと思うぜ、コラ」
「同感だ、焼きパイナップルは無い」
 数秒後、台所から轟炎が噴きだし、同時に二人分の悲鳴と一人の怒号が屋敷に響き渡った。
 千種はコロネロと目を合わせ、それからため息を吐き出した。
 良く考えずとも、錚々たる面々だという事に今気付いた。
 生きてるのか死んでるのかそもそも本当に人間だか疑わしい主、六道骸に、その主が作った結界を迷惑を考えずに面白ついでに壊してくれた雲雀恭弥という吸血鬼、その迷惑コンビをいとも簡単に黙らせてしまう『炎帝』の一番目の沢田綱吉。
 千種の前でぎゃあぎゃあと騒ぐ三人は、実は、凄い。
 しかし彼らがいくら凄かろうと、抗えないものだってあるのを千種は知っていた。
 ちらりと隣で騒ぎを呆れたように見ているアンダーイヤーの吸血鬼を見た。
 彼は、知らない。
 そして髑髏もだ。
 人の感覚では長く、吸血鬼の感覚では一瞬。時間は過ぎれど、時はまだまだ動いていない。
 千種は、そっと目を伏せた。





 「もう我慢できるかあっ!!」
 意外というかある意味予想通りというか、一番に音を上げたのはバイパーだった。
 上等の机を乱暴に蹴りつけながらヒステリックに叫ぶ。
「無理無理無理無理っ!! 何が好きでこんなボランティアをしなきゃならないのさ!!!! 金をよこせ! 金!!」
 守銭奴的にはボランティアという単語がとてつもなく恐ろしいものであるらしい。呆れた顔で眺めるリボーンとスカルの前で、ついに机に突っ伏してバイパーは泣き出した。
 先日下見に行った敵地の結界は、その翌日に壊れた。
 理由は分からないが、この好機を逃してなるものかと駆けつけてみれば結界は壊れて無くなってはいるものの、代わりに絶大な魔力が山を覆っていたのである。その肝心な時に、他のアルコバレーノは別の任務をこなしていたり、コロネロを吸血鬼にした古血について調べていたりと、つまりいなかった。触れた瞬間に食い付かれそうな魔力は、完全な戦闘状態にあってバイパー一人ではどうにも出来ないもので、結局、また新たに更に強力になった結界が構成され直していくのを見ているしか無かったのである。
 この全てがボランティア。一銭たりとも入らない。
 金に関しての執着は良く分からないが、無駄足を踏まされたのには同情を禁じ得ない。
 しかも――
「二人目の古血、か」
 リボーンが呟いた。
 バイパーが言うには、結界を造っていたのは三人でその内訳は、術師が一人に古血が二人らしい。恐らく術師と古血一人については前の結界を造ったのと同じ人物だろう。しかし新たに別の古血がいるとなっては話が変わる。
 こちらにとっての不利がどんどん増えている。せめてどこの血族か分かれば、多少の借りは覚悟して圧力をかけるなり何なりとして、相手側を追い詰められるのだが、何も分からない今の状況では活路を見出す事が出来ない。
 憂鬱だ。
「それにしても、考え無しのアンダーイヤーならともかく、古血が手伝いに来たって言うのが気になるな」
「確かにそうですね」
 リボーンに頷いたスカルが首を傾げる。
「アルコバレーノを相手にするんですから、それなりの覚悟と血族に対する自由度が無ければならないでしょうね。どこかの血族の幹部なら、恐らく血族への遠慮が先立って、そう勇み足にはならないはずです」
「奴らは血しか見ねえからな。とすれば、幹部でも何でもない奔放な古血か、それとも滅びかけの血統か、自分の血統が分からない古血か。どれにしろそう多くは無いはずだ」
「先輩、キャバッローネの『跳ね馬』にコネがあるでしょう。あそこの『緋煙』の雲雀にでも聞いてもらったらどうですか。不良吸血鬼の親玉じゃないですか」
 ああ、と返事をしたリボーンはバイパーに向き直った。
「おい」
「何さっ! 仕事ならやらない!」
「うるせー。お前、術師の特定は出来ねえのか?」
「やってるよ! やってるけど、相手に先を越されてまだ分からない」
 スカルがへえ、と笑った。
「それじゃあ引き続き、探って下さい。妨害するって事は手掛かりがあるって事でしょう。大体、バイパーの力を妨害出来る術師なんてそんなにいないはずです」
「特定出来たらこれやるよ」
 文句を言おうとしたバイパーより先に、リボーンがスーツの内ポケットから一枚の紙を差し出した。大人しく受け取ったバイパーの顔色が変わる。
「これは……!」
「俺のポケットマネーだ」
「……リボーン、初めて君を好きになったよ! ありがとう!!」
「気持ち悪い! ……ひとまず、術師の特定から行くぞ。古血と知り合いで、かつ強力な奴なんざそうそういねぇはずだ。バイパーは術から正体を探れ。パシリは虱潰しに術師を訪ねてこい。いねえ奴が怪しい」
「了解」
「ちょ、ええ!? それ俺だけ負担大きい気がするんですけど!」
「パシリだからな」
 さらりと言ってリボーンは立ち上がった。
 ボルサリーノを被り直して、颯爽と会議室を後にする。
 年々、彼はアルコバレーノにはまっていた。
 やればやるほど、深みにはまる。
 でなくては、やり甲斐が無い。
 獰猛な笑みを浮かべて、石の廊下を歩く。革靴だと言うのに足音はしなかった。ひんやりとした空気を裂いて、リボーンは進んだ。
 届きそうで届かない深み。探し続けている深みが近付いているのを感じる。
 廊下の角の窓ガラスに映った喪服に目を細める。ネクタイが曲がっていた。足を止めて、鏡に向き直る。
 リボーンは乱れているネクタイを直してから、歩みを再開した。







後書き
 今回は主人公視点は無しでやってみました。小休止的な感じです。とは言っても、話自体は動くきっかけ的な内容で小休止ではないのですが。
 ようやく折り返し地点かなぁ。でもまだ続く気がする。何か色々付け足した挙げ句蛇足になりそうな……匙加減に注意しよ。
 という訳で、フラグを乱立させてるのでそろそろ回収に向かいたいと思います。


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