つないだいと（骸と恭弥と綱吉）

　あいのままにわがままに～とあんだーざだーくねすを聞きながら突発的に打った文。カオス。というより頭おかしい。ムクヒバに見えるかもしれない部分がちょっぴりありますけどムクツナヒバの三つ巴です。

　テスト前の異常テンションで書いてるんで、それでもよければどうぞー。
　すみません、注意書くの忘れてました。死ねたです！

　棺桶の中、冷たい君。
　白く青く、透き通り今にも消えそうなその身体、頬に触れて、僕は目を閉じる。
　鬱蒼と茂る森、木々、湿った地面に手を付き、立ち上がり、その黒い箱に背を向けた。


　つないだ、手。

　わらった、顔。

　つぶやく、唇。

　君の声が聞こえない、君の瞳が見えない、君の心は一体どこ。

　君は、どこ。


　何で泣き叫ぶんだ、獄寺隼人。何を強がっているの、山本武。何を見つめて唇を噛む、笹川了平。何の為に花を捧げるの、ランボ。


　雲雀恭弥は、リボーンから手渡された白い花を、地面に叩きつけて踏みにじった。
　棺桶の中にいるそれは、決して自身が認めたあの男ではない。だから悼む必要などあるものか。死んでなどいない、死んでいないはずだ、だって彼は彼は！

「死ぬなら一緒にって、言ったのは君じゃないか！」

　約束を破るのか、何で僕を置いて行く!?
　君はどこ、君はそれじゃない、君はだって君は、僕と共に、死のうと。君は。
　歯を食いしばって、耳に蓋をして、瞼を下ろして、五感を消して。首を振って全てを否定する。
　死なないと言った君。
　死ぬはずがないと思った僕。

　空がなければ、雲はどうすればいい!?







つないだいとをつむぎなおして　







　「悲しいんですか」


　冷めた目付きで、彼は言い放った。

　自室で、ただ何をするでもなく、ベッドに寝転び、そして差し込む西日を見つめていた時だった。
　するり、と柔らかな身のこなしで扉から入り込んだその男は、哀れみを宿したその瞳でそう言った。

「……悲しいよ」
「あれは、ただの人間なのに」
「君には分からない」
「いいえ、僕にも分かる。沢田綱吉は、確かに僕らの大空だった」
「僕だけの、大空だ」
「哀れな雲だ、浮かぶ空が無くてはただ堕ちるばかりか」

「お前はいいね」

　男は、雲雀の言葉に少し眉根を寄せた。
「どういう意味ですか」

「だって、君だけは」

　雲雀の伸ばした手は、しなやかにその男へと向けられる。
　さながら、光をそっと受け取るかのように、手の平を上にしたそれを、男はじっと見つめ続けた。

「霧だけは、空が無くても生きていける」

　部屋に虚ろに響いた。
　男は黙る。六道骸は黙る。
　そんな六道を見つめてから、雲雀は悲しげに目を伏せた。寝転んだベッドから、だらりと腕が垂れ下がる。

「……沢田綱吉に、会いたいのですか」
「会いたいよ」
「生きていなくても」
「会いたい」
「……それは、嵐も雨も雷も晴も思っているのでしょうか」
「さあ、それはどうだろうね」

「僕だって、あの子が愛しかったんですよ」

「僕だって、あの子が愛しかったんだよ」



　六道は、懐から拳銃を取り出した。
　雲雀は、懐から拳銃を取り出した。

　寝転がった雲雀の上に六道が馬乗りになる。
　仰向けになった雲雀が右腕をゆっくりともたげた。
　雲雀をまたぐ六道は、右腕をゆっくりと下へ伸ばす。

　互いに額に拳銃を突き付けあった二人は、やがてそっと微笑んだ。




　発砲。









「綱吉君、綱吉君！　待って下さいよ！」
「ちょっと綱吉！　何さっさと行ってるのさ！」

　冬、並盛、下校途中の他愛無い会話。
　先先と坂道を登るのは、中学の征服を着た沢田綱吉だ。追いかける二人は懸命に走って、ようやく眉を寄せて難しい顔をする綱吉に追いついた。
「ひどいですよ、綱吉君。置いて行くなんて！」
「六道に同意するのは癪だけど、その通りだよ、綱吉！」
「あーはいはい！　言っておきますけど、あんた達が勝手に喧嘩をおっぱじめるのが悪いんですからね！　俺のせいじゃないですよ！　もう少し仲良く出来ないんですか、二人共！」
「む、確かにそれはそうだけどね、綱吉。このパイナップルと仲良くなんて「ちょっと誰がパイナップルですか！」」
「う・る・さ・い!!!!」
　耳を塞いで叫ぶ綱吉。
　慌てて宥める雲雀と六道。
　寒い冬にほうと吐かれた白い息。けれど温かくて穏やかな時間。

　三人は、ふわりと笑った。

　何故だか、とても、とても。


　幸福だった。





　いつもにましてカオスな文ですみませんでした。ムクヒバじゃないですよ。ムクツナヒバですよ。三つ巴ですからね！