ひょこひょこと動く柔らかそうな青い葉。
眼前のそれを見て、
綱吉は数度瞬いた。
「ひぎゃあああああああああああああ!!!!????」
へた
裏世界の帝王、ドン・ボンゴレの執務室からあがった悲鳴に、守護者達は得物を持って全速力で駆けつける。
おそらく先程の恐ろしい悲鳴は、今ドンの警護についている霧の守護者のものだろう。一体何があったのか。
悲鳴はまだ断片的に続いている。
執務室の扉を開け放ち、いっせいに部屋の中へとなだれ込んだ。
しかし彼らは揃いも揃って、その場で硬直する事となる。
「あははははははははは」
「ちょ、やめなさい!やめて綱吉君っ、ひいっ」
床にうつぶせに倒れた骸に馬乗りになった綱吉。
乾いた笑い声を上げながら、彼は何と、骸の髪を
むしり穫っていた。
パイナップルのへたを握り締め、むしる綱吉の瞳はとても虚ろだった。
泣きの入った骸の一際高い悲鳴を聞き、慌てて雲雀と獄寺と笹川の三人がかりで綱吉を骸から引き剥がし、ランボと山本が本気で怯える骸を宥める。ちなみに、この時むしった髪を綱吉に掴んでいた手から棄てさせるのに五分を要した。そして骸はただ、部屋の隅で三角座りをして見るも無残な頭を両手で押さえ、ひとしきりぶつぶつと何事かを呟いていたと言う。
リボーンは眉をひそめた。
彼の手には、六枚の嘆願書と一枚の有給休暇願いがあった。
嘆願書では守護者全員が、ドンの静かなる休暇を求めていた。
骸から出された有給休暇の申請書に目をやれば、精神的苦痛という文字が目に入った。
「……何事だ?」
首を傾げつつ、そういや最近骸はずっと帽子を被っている事を思い出した。しかしそれが何を意味しているのかは分からない。
ドンの休暇も守護者の休暇も、今の情勢では認められない。綱吉には馬車馬の如く働いてもらわねばならないのだ。
平均睡眠時間は一時間だったか。まあそれぐらいなら大丈夫だろ。
そう高をくくり、嘆願書と申請書を握り潰したリボーンに、その日、悲劇が訪れた。
翌日、自室でぐっすりと眠る綱吉と、それを生温かく見守る守護者がいた。
ちなみに、霧の守護者とドンの家庭教師の二人の行方は1ヶ月分からなかったという。
その後、綱吉の平均睡眠時間が四時間に増やされた事は言うまでもない。
レポート明けです。つまり徹夜明けです。綱吉には睡眠時間が少なくて錯乱してもらいました。骸の髪をむしっています。
眠い……。
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