[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
穏やかで、わずかに揺れている波が好きだった。
少年はいつもの無表情を、わずかに柔らかくさせ、砂浜に座っていた。時折、流れるようにこぼれ落ちる砂を、その手に含ませ、もて遊ぶ。
彼は日本においては特徴的な容姿をしていた。伸ばした灰色の髪はゆるくくくり、胸に垂らす。冷悧な印象を受ける顔は、整いすぎるほどに整っている。だが彼のその姿は、海村の、田舎の風景に何故か違和感無く溶け込んでいて、何故だか自然にその姿を見る事が出来た。
――畦道に、漁港から帰って来た老人が歩いてきた。
彼はこちらを見ている少年に気付くと、手を振り、バケツに入った魚を示して叫ぶ。
「葵ちゃんに、届けとくけんなー!!」
少年も手を振り返し、叫ぶ。
「ありがとうございます」
老人は、笑んだ。
あの少年は、いつも仏頂面だが、声には温かみがある。
老人にとって、これは一年前から続く風景だ。
海を見つめている異国の少年。最初の内は、この閉鎖的な村の雰囲気もあって、この少年と、そして同棲している少女は、あまり好意的には受け取られなかった。漁村に来たからと言って、漁に出る訳でもなし、少年は日がな一日海を眺め、少女は家で怪しげな爆発音をさせている。正直、関わりたくないと言うのが、本音だった。
だが三ヶ月ぐらい経った頃の夜、砂浜に座って海を見る少年に、居酒屋帰り、酒の勢いもあって思い切って彼は問掛けてみたのだ。
「何でぇ、あんたここに来たんだ?」
「来たかったからです」
無表情で、にべもない答だった。
少々、むっとして、その日はそのまま帰った。
だが次の日も同じような気まぐれを起こし、適当に理由を作って酒の席を途中で退席した老人は、同じ場所に座る少年の隣に、掛け声をかけつつ腰を下ろした。そんな彼を、少年は不思議そうに眺めやる。
言葉も無く、ただ黒い海がうねっているのを二人して見ていた。
やがて、少年がぽつりと言った。
「いいんですか、噂になりますよ?」
「あんたと一緒にいる、って?」
ええ、と頷き、少年はうつむいた。
早い内に居酒屋から帰って来たのだ。夜とは言え、まだ八時にもなっていない。まだ道には人が通るだろうし、そうなれば、すぐ近くにある砂浜に座る二人が、見えない訳が無かった。
「……噂なら勝手にさせとけば、ええ。若いおなごと噂になる訳でもあるまいし、ばあさんも怒らんじゃろて」
ひょうひょうとうそぶき、老人は笑った。
無表情を、少し歪ませた。
少年は、閉鎖的な村が、そして人間が、そんな生易しい物ではないと知っていた。それは老人も知っているだろう。なのに、それをおしてまで、隣に座っていようとする老人に、少し、親近感のようなものと、何故そこまで、と言う不審を感じていた。
海のうねりが、少し収まって来た。
また少し、時間が経った。老人は何も言わずに立ち上がり、砂をはらうと帰り道へと戻り始めた。
「……おやすみなさい」
ぽつりと、聞こえたその言葉は、どこかこわごわと呟くように発せられた。
老人は、振り返る。
その口元に彼は微笑を浮かべ、言葉を返した。
「ああ、……おやすみ」
立ち去る老人の背を見つめ、その姿が街灯の向こうに消えると、少年は同じように立ち上がった。。伸びをして、反対方向、村の外れの方へと足を向けると、いつもとは違って少し軽い足取りで歩き始めた。
次の日、老人は居酒屋には行かず、夕方から少年の隣に座っていた。
砂を踏む音が聞こえた。老人は振り返り、その少女が歩いてきたのを見た。
彼女は少し驚いた顔で、だがすぐに笑むと、会釈した。
「……こんにちは」
「ああ、こんにちは」
少女は、少年の隣に座った。
「……お名前を伺っても構いませんか?」
「ん、ああ」
そう言われて、老人は少年の名前を知らなかった事に気付いた。
「里中源蔵じゃよ。公民館の隣に住んどる」
「私は白波葵といいます。それで、彼が……」
「ショウ」
名前だけを呟いた少年は、じっと老人を見つめた。
「里中の大旦那が、こんな所にいていいのか?」
そしてまた続かない。この後はどんな話だっただろう。何かほのぼのな感じに繋げるつもりだったんですけど。疎外される何かと受け入れる何か。最終的におじいちゃんは死にますけどね(台無し)
冬樹さん、と男は声を荒げた。
「これは、副官としての私からの質問状です。それからこっちは、一番の牡丹を筆頭として、SAの梔子、対国の曼珠紗華、情報の百合、六番の薔薇、作戦の水仙――六華連全員分の署名が入った質問状。後は国防長官からのもの。更に元老院からの元老十名の内、三名からの質問状です。……まさか、いくらあなたでも、これ程のもの、無視できるわけありませんよね」
にこりと笑い、男は畳み掛けるように、それに加えて、と桜町に目配せする。口を引き結んだ彼はポケットから一枚の紙を取り出すと、神崎に渡した。
「桜町巡査からの抗議状です」
神崎は森久保にそれを示した。
彼は流美からペンを受け取ると、所定の場所にサインした。それをまた、森久保に見せる。
「――受理しました。これより、桜町琢人巡査の身柄は、C3連合特殊軍軍団長である私、神崎翔の預かりとなります。以後、桜町巡査、もしくは桜町巡査の知人、身内への接触は、私が認めた者以外これを禁じ、桜町巡査からの接触または行動も、私が認めた者、認めた行動以外、これを禁じます。この禁を破った者は、即時無力化、あるいは罰則を与えられます
……と言う訳で、森久保冬樹総統閣下、あなたからの桜町巡査への接触は公平なる審議の妨げとなる恐れがありますので、認められません。どうかこの判断を良とし、この場をすみやかに御退去なされるよう、恐れながら進言させて頂きます」
一度も噛む事無く平然と言い連ねた男に、森久保は呆れた視線を向けると、溜め息をついた。
「君には、この世界の安定、という概念は無いのかね?」
それは、ある意味で最後の賭けだった。神崎の日頃からの言動、思想をふまえた上で、政治家としての森久保の最後の足掻き。
しかし当事者はそれをにべなく一蹴する。
「ありますよ? ただし、順位があなたとは違うだけです」
付け加えられた笑顔に、今度こそ森久保は白旗をあげた。
背もたれに倒れかかり、天を仰ぐ。くつくつと笑ってから、下目で老壮は男に尋ねかけた。
「家族の安全だったかな、君の一位は」
肩をすくめ、神崎は足を組替える。
「それは論外ですよ。一位は構成員の保護です。何せ現場上がりなもので、どうしても彼らに心が寄ってしまう。その点、稜花なんて殺伐としてますよ? 作戦部ですから、それがベストとは思いますがね」
「安倍君はどうだったかな?」
「彼女も現場上がりでしょう。華の中では、東と稜花と英佑がキャリアです。それ以外は叩き上げですね。半々でバランスが取れてるんじゃないですか?」
ふざけた調子で神崎は肩をすくめた。
何か少年漫画的な小難しい言葉を書きたくて一場面だけ書いた覚えが……。中学の頃のってすんごい痛いわぁ……。
許さないよ。
あなたの死なんて、絶対に。
もしあなたが死んだら、ボクはこの世界を許さない。
ボクは悲しみのあまりに世界を壊す、手当たり次第、皆殺しだ。そうやって、世界を壊してから、あなたの元にいくよ。
だから、あなたは死なない。
優しいあなたは、耐えられないよね。
あなたのせいで、人がたくさん死ぬなんて。
あなたのせいで、ボクが死ぬなんて。
どうして、そんな……
愛してるよ。
ただあなただけを。
だから、あなたを傷付けるものは許さない。
壮絶な愛の告白ととるべきか、自己満足なストーカーととるべきか、いやむしろちょっぴりやくちゅーのケが入ってる気が……。これは高校入ってからだなぁ。登校中にふと思い浮かんだ短文。テスト前のテンション下がり状態の時だった気がする。
他にもあったんですけど人目を憚られるようなテンションの低さと鬱小説だったのでやめときました。大丈夫だろうか自分、的なのが多いよ……そんなにキてたっけなぁ。きっとあれだな、思春期。
オリジナルはやっぱり難しい。キャラ作んなきゃならないし……その点二次は楽ですよね。既にオリジナルがいますから。後はカプ妄想をすればいいだけ……笑
結局キャラ作りが面d(ry)ごほごほ……難しいと分かった自分は、ある程度主人公役を絞って今までやって来てますよ。今は一応三人。付随するヒロインと恋人役でまあ、二十人ぐらいは活きてるのかなぁ。ある意味、夢と同義だ。多分これからもそういうスタイルになるんだろうなぁ。
オリジBLは今の自分にはまだ無理です……。二次の裏が書けるようになれば出来るかもしれないけど、まだ抵抗あるなぁ。読む分にはいいんですよ、二次も一次も。ただ自分が書くとなれば、途端に叫びながらご近所爆走したくなるというか何と言うか。それっぽい匂いのは書けるんですけど、マジとなるとちょっと。
BLに入るのかどうか今一判別つきにくいんですけれど、やさ竜は好きだ。あれは面白かった。今漫画出てるけど買おうかどうか悩み中。
あ、関係無いけどC-B買いました。面白い……けれど、ちょっぴり物足りn(撲殺)
05 | 2025/06 | 07 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
COMMENT